コヒーレント励起分光法

原子の集団振動(フォノン)の振動周期より、充分短い時間幅を持つパルスレーザー光を照射すると、位 相が揃った原子振動(コヒーレント・フォノン)を生成ことが可能である。我々は、 時間半値幅10フェムト(10-14)秒の超短パルスレーザーを用いて、物質中の素励起をコヒ ーレントに励起し、その緩和過程の実時間観測をおこなっている。

電荷整列相転移を示す2次元スピン梯子系物質NaV2O5において、相転移近傍での 素励起の振動を実時間観測し、このような強相関電子系の物質においてもコヒ ーレントに励起されたフォノンモードを測定できることを初めて示した。また、 相転移温度以下の温度領域において、新たなモードを時間領域で観測することに 成功した。このモードが2-マグノンに対応する磁気的なモードでないかと いう提案を行い、その後現在まで続く、活発な議論のきっかけとなる視座を与え た。

現在も、このような物質群の「電荷」「格子」「スピン」が織り成す物性を解き 明かすべく、研究を行っている。

測定結果
光学系
測定結果
実験光学系
*をつけたピークが磁気的なモード
ミラーや波長板など、様々な光学部品を駆使して実験しています